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ハンセン病について伝え、交流する
ハンセン病の患者を強制的に隔離する「らい予防法」は1996年に廃止されました。患者だった人の中には、そのまま療養所に住んでいる人もいますし、療養 所の外に出て、生活している人も1500人ほどいるとみられています。しかし、根強い偏見や差別のため、住む家を探す時に苦労したり、家族や親族とのつき あいが今もできない状況の人も多いのです。崎山敏也記者が取材したのは「ハンセン病問題について考え続けよう」と、3年前に結成された「ハンセン病首都圏市民の会」の活動です。
「ハンセン病首都圏市民の会」は例えば、強制的に隔離されて差別された、実際の体験談を聞く集まりや、国の政策の歴史や問題点を学ぶ「連続講座」などを開いています。
2009年9月13日には、東京・東村山市にある療養所「多摩全生園」の集会室で第10回目の講座が開かれ、長年治療に携わってきた、ハンセン病専門の医師の並里まさ子さん(「おうえんポリクリニック」院長)が「ハンセン病の基礎知識」と題して話をしました。
並里さんは基礎知識に入る前に、まず「『誤ったハンセン病観は、誤った政策を生む』。これにつきるんじゃないんでしょうか」と切り出しました。そして、「ハンセン病に対して正しい知識を、正しい考え方を持つ社会でこそ、みんなが幸福になる、と思います」と続けました。
療養所を出た退所者の中には後遺症に苦しむ人も多いですし、高齢になると他の病気にもなります。しかし、ハンセン病にかかっていたことを知られて、差別さ れることを恐れると、病院にも行きにくくなります。また、病院に行っても、ハンセン病にかかっていたことを医師に言えなかったり、医師にハンセン病の正し い知識がないために、適切に対応できない、ということもあります。
講座で並里さんは、感染や発症のしくみ、治療法などについて、最新の医学でどこまでわかっているか、丁寧に話したうえで、「ハンセン病は特別な病気ではな く、一般にある感染症の一つなんです。本来、他の病気と変わらず、地域で普通に治療すべきなんです」ということを強調していました。
以前は国立の療養所に勤務していた並里さんですが、療養所での治療をめぐる「医療過誤訴訟」で、患者の立場にたって裁判で証言したことなどもきっかけにな り(裁判は一審で国に全面勝訴、その後和解)、埼玉県所沢市に4年前、自分のクリニックを開きました。「退所者が普通に診てもらえる場にしよう」と考えた からです。
クリニックは順調に受診者も増え、近くに住む人も退所者も同じように、皮膚科や内科の患者としてやってきています。
講座の後に、あらためて並里さんに話を聞くと、「近所の人と退所者が一緒に座っていて、順番を待っている、その姿が何よりです。クリニックがうまく地域にとけ込んだというか、地域の方々が存在を認めてくれたのでしょう。それが一番ありがたいことです」と話していました。
講座の参加者は70人ほど。療養所にいた方の体験は聞いたことがあったけど、もっといろいろ学びたいので、と参加した二人の学生からは「別の面からハンセ ン病を学ぶことができたので、よかったと思います」「他の病気とかに対して偏見を持つような時でも、根本的に直るんだよ、という知識がないと、こういうこ とは繰り返すから、大切だと思います」という感想が聞かれました。
また、並里さんの後には、退所者の山城正安さんが、「55年ぶりに小中学校の同窓会に参加した」話などをしました。「昔だったら想像できないけど、今は自 然に話せるようになりました。聞いてくれた人に一人でも、僕たちのことをわかってもらえれば、と思って、こういう場に出てきて、話をしているんです」と崎 山記者に話しました。
「ハンセン病首都圏市民の会」では、講座のほかにも様々な活動を行っています。
例えば、全生園のある東村山市の公民館などで、療養所を身近に感じてもらおうと、全生園の歴史についての展示を行ったり、交流を深めるため、入所者、退所者とお茶を飲みながら語り合う会を開いています。
また、35ヘクタールの広さがある全生園には武蔵野の豊かな自然が残っています。桜並木や梅林などおよそ3万本の樹木があるのですが、その多くは、子供も 持てず、故郷にも帰れない入所者が自分で植えて、子供のように大切に育ててきたものです。「首都圏市民の会」では2009年5月に、「木々に込めた思いを 感じてほしい」と、園内を散策しながら、入所者の話を聞くイベント「全生園〜お話の森」を行いました。
療養所の入所者や退所者が老後を地域で安心して過ごせるため、そしてハンセン病への理解を深めてもらうための活動が続いています。
記事掲載日:2009/09/26(Sat)
男性型(壮年性)脱毛症とプロペシア
男性型脱毛症:男性ホルモンの影響で、前頭部から後頭部に限って硬い毛が軟毛化する現症です。昨年末、待望のプロペシア(フィナステリド:0.2mg/ 錠、1mg/錠)の発売が認められました。この薬剤は、脱毛の進行を止め、発毛剤・育毛剤としての性格も持ちます。多くの場合、6ヵ月から1年間の内服で 改善が見られます。日本での長期観察(5年)では、90%に改善効果があったと報告されています。副作用の発現頻度は、276名の調査で4%にみられ、い ずれも軽度でした。(Kawashima M. et al. Eur. J. Dermatol. 2004, 14(4), 247-254)男性型脱毛症のスカルプケア
男 性型脱毛症の場合、皮脂や発汗が多く、頭皮の湿潤度が高い方が多いようですが、毛母細胞(毛を作る細胞)の働きを増進させて毛の成長を助けるためには、汗 や汚れを落として、毛穴の周囲を清潔に保つ必要があります。しかし、シャンプーのし過ぎは良くありません。朝夕2回のシャンプーは過剰で、洗い過ぎやシャ ンプー剤の不充分なすすぎによる頭皮の障害もまた、毛髪の正常な成長を妨げるもとになりえます。
フケ:脱毛早期に、しばしばフケの増加が見られます。フケは頭皮の軽い炎症を示しますが、毛包開口部で厚くなりやすく、毛髪の伸張を妨げます。体調の悪いとき、ストレスが強いときにも増加します。またカビの一種が関与していることがあり、この場合は抗真菌剤が有効です。
タバコ:末梢の血管を収縮し、局所の血流を少なくする作用は良く知られています。成長期の毛母細胞は、人体組織の中で骨髄細胞と同じくらい活発に分裂しているのですから、毛髪の成長に悪いのは当然です。
記事掲載日:2006/01/15(Sun)
内科より今年の花粉症対策
まだ寒い時期が続きますが、早春は花粉症の季節です。今年の花粉飛散の開始予想時期は、スギが2月中旬、ヒノキが3月下旬のようです。花粉症(季節性アレ ルギー性鼻炎)の代表的な症状として、くしゃみや鼻水(鼻汁)、鼻づまり(鼻閉)が挙げられます。対策としては外出時には眼鏡やマスクを着用し、花粉の飛 散時期には洗濯物を外に干さないことも有効です。また毎年花粉症にかかる方は、花粉飛散の2週間程前から抗アレルギー剤を予防的に内服することも効果的で す。近年抗アレルギー剤の開発は目覚しく、多くの場合ほとんど眠気が無くて、効果的に症状を抑えることができます。記事掲載日:2006/01/13(Fri)
褥瘡の予防と治療
褥瘡は予防が最も大切で、できやすい条件を1つずつチェックし、できにくい方向に持っていきます。できてしまった褥瘡は、早期に発見して改善を目指します。褥瘡の治療は、程度(広さ・深さ)と時期(急性期・慢性期)によって異なります。また部位も大切で、治療経過に大きく影響します。
治療:壊死物質の除去と洗浄が原則です。時期と症状に応じた適切な外用剤の選択、様々な貼付剤(ドレッシング)の利用、壊死物質の外科的除去などを行います。これらは傷の進展を抑え、治りを早めるための治療です。また栄養改善、日常生活上の問題点の検討なども大切です。
記事掲載日:2006/01/13(Fri)
皮膚科より
イボについていぼ(ウイルス性のもの)、うおのめ
痛くない方法で治療できます。
その他のイボ
俗に「イボ」と称されるものには、ウイルス性以外にも様々な疾患があります。代表的なものは、@脂漏性角化症とAアクロコルドン(別名スキンタッグ)です。
@は顔、頭、首、体幹に多発します。ほとんど色の無いものから黒褐色のものなどさまざまで、多くはベタッと扁平に隆起します。Aは頚、胸、腋にできやすく、米粒よりも小さな、突出したものです。これら@とAの多くは、外来診療できれいに取ることができます。
皮膚にできるイボに似た小腫瘍にはこの他にもたくさんの種類があり、中には悪性が心配されるものもあります。悪性か否かは、簡単な病理検査で調べることができます。
記事掲載日:2006/01/09(Mon)
皮膚科より
ケミカルピーリングのご紹介ケミカルピーリングとフォトリバイブ(LED)を組み合わせた治療に、さまざまな美容効果がみられます。
LEDは、レーザーでもパルスライトでもない第3世代の光と呼ばれています。PDT(Photo Dynamic Therapy:光線力学的療法)
ケミカルピーリングの作用機序
ケミカルピーリングは、化学物質を塗布して表皮を一定の深さで剥脱し、皮膚の再生を促す治療法です。
表皮の角層は、多数の層になった細胞からできています。一番下の層(基底層)から形を変えながら順次上昇して、最後は角質層となって剥がれ落ちます。基底 細胞が分裂・分化して角化する過程は、約40〜50日です。このサイクル(ターンオーバー)が加齢などによって遅くなると、皮膚の表面に古い角層が固着し て、皮膚がくすんだ色になります。
ピーリングは、古い固着した角層を剥離して基底細胞の分裂を早め、規則正しい角層を新生させます。また同時に真皮の線維芽細胞を刺激してヒアルロン酸やコラーゲンの産生を亢進させる治療です。
当院のケミカルピーリング
グリコール酸と乳酸のダブルピーリングで浸透性を高めます。
所要時間:約15分
ピーリングに続いて、以下の薬剤を使います。
1 プロビタミン
ピーリング後の皮膚に浸透してメラニン色素の生成を抑え、線維芽細胞を活性化します。
2 レチノール
表皮のターンオーバーを亢進させ細かいシワを改善します。
続いてオムニラックス(LED)を照射します。
所要時間:20分
真皮に深く浸透し細胞内の光受容体に吸収されます。
線維芽細胞の代謝を通常の4倍に高めます。
光線療法に代わって、プロビタミンのパックをする場合もあります。
LED:Light Emitting Diode(発光ダイオード)
415, 633, 830nmの3種類の光線のみを選択的に照射します。
それぞれの波長を目的別に使い分けます。
(詳しい作用機序は次項参照)
<AHA(グリコール酸、乳酸)の作用>
角層の結合力を弱めて剥離を促す→毛孔の角栓除去(ニキビ)
表皮のターンオーバー亢進による古いメラニンの除去→美白
チロシナーゼ活性の抑制によるメラニン生成の抑制→美白
線維芽細胞の代謝亢進→皮膚の張り(シワ・タルミ)
<レチノールの作用>
表皮のターンオーバーを促進してメラニンを排出させる
光老化皮膚の改善(真皮膠源線維の合成亢進)→
皮膚のテクスチャーと細かいシワの改善
<LEDの作用>
赤:633nmの光線による線維芽細胞の活性化
超高輝度LEDの優しい光が、真皮のコラーゲンを作り出す細胞(線維芽細胞)を強力に活性化する、肌の回復トリートメントです。痛みや腫れなどはありません。(まぶしく感じますが、決して有害なものではありませんので、ご安心ください。紫外線は含んでいません。)
青:415nmの光線によるアクネ菌の死滅
アクネ悍菌は、『ポルフィリン』という光感受性物質を含んでいます。アクネ桿菌にオムニラックスブルーの光が当るとポリフィリンが反応し、大量の活性酸素が発生してアクネ菌を破壊します。また皮脂腺からの過剰な皮脂分泌を抑制する効果もあります。
白:830nmの光線によるアンチエイジング
オムニラックス830は、近赤外線と呼ばれる波長の光の中でも特に真皮深層への透過度が高く、肥満細胞、貪食細胞、筋線維芽細胞など皮膚の再生に必要な細胞を活性化するのが特徴です。
記事掲載日:2006/01/09(Mon)
アトピー性皮膚炎
ステロイドを上手に使うこと、なるべく早くステロイドを離脱すること、ステロイドに代わる効果的な治療薬を上手に組み入れること、などに重点を置きま す。漢方薬も、時には著効します。冬の乾燥はアトピー性皮膚炎を悪くしやすいのですが、上手に保湿剤を使うことで、強い薬を使わずにすごせるようにしま しょう。記事掲載日:2006/01/07(Sat)
ニキビ
中学・高校生のニキビと、大人のニキビは、少し治療法が異なります。赤く腫れるニキビ、毛穴が閉じて黒く見えるニキビなど、症状に よっても治療法が異なります。ビタミン剤の組み合わせ、漢方薬などを中心に、短期間抗生物質を使うこともあります。洗顔指導や、日常生活上の注意事項も大 切なポイントです。治りにくい場合は、ケミカルピーリングが効果的です。
記事掲載日:2006/01/07(Sat)
内科より
本格的な風邪のシーズンです。典型的な風邪症状は咳、鼻水、痰、喉の痛みなどに代表される上気道症状ですが、中にはアレルギー性鼻炎(花粉やハウスダス ト、ダニによるものが多い)や扁桃炎、喘息の場合もあります。また発熱に加え下痢や吐き気、頭痛、関節痛を伴って受診される方も目立ちます。インフルエンザが流行りつつあります。上気道症状に先立って高熱が出たらまずインフルエンザの検査をして、インフルエンザかどうかを判定します。インフルエンザの場合、特効薬(タミフル)がありますから、早期に飲めばとても早く治ります。
インフルエンザの検査は、鼻粘膜を綿棒でこすって試薬に溶かして判定します。15分くらいで、感染の有無が分かります。
虚 血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳卒中(脳梗塞、脳出血)は、基礎疾患として動脈硬化を持つ方に多く見られます。動脈硬化の危険因子には、加齢のほか、 一般に成人病(生活習慣病)といわれる高血圧や糖尿病、高脂血症(血中のコレステロールや中性脂肪が多い)、高尿酸血症(痛風の原因疾患)、あるいは肥 満、喫煙などが挙げられます。
動脈硬化の進行を抑えるためには、生活指導や食事療法、運動療法、薬物療法を行います。成人病は自覚症状に乏しいため、健康診断で異常を指摘されることが多いようです。
他に自覚症状に乏しく、健康診断で始めて発見されるものとして、肝疾患が挙げられます。アルコール性肝炎やウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)、胆石や胆嚢ポリープがよく見られます。
記事掲載日:2006/01/07(Sat)
皮膚科ニュース
男性型脱毛症のプロペシアが発売されました。当院で処方できます。記事掲載日:2006/01/07(Sat)
ニュースとお知らせ
2005年8月31日江東区文化センターにて講演(法務省主催人権擁護局人権啓発課担当)
ハンセン病シンポジウムにて、「正しく知ろうハンセン病」
2005年10月26日
明治薬大の向日先生と学生達のクリニック訪問
退所者の方々との懇談
2005年10月29日
陽明保育園(所沢市)のハロウィンフェスタにて「応急処置の仕方」についてお話
質疑応答
2005年11月3日
国際協力機構(JICA)研修事業への協力
研修生の研修受け入れ
参加者:アフリカ、アジア、中米の医師5名
日時:11月3日 10:00〜15:00
場所:おうえんポリクリニック
聴講希望の方は事務にご連絡ください。
言語:英語、フランス語、西語。
その他今回参加研修員の構成から、ハウサ語とスワヒリ語が入ります。
Dr. Jeannie Margarita Salvador Dermatologist
Dr. Herman Owuor Weyenga Kenya Medical Officer(Leprosy Hp.)
Dr. Win Maw Myanmar Medical Officer(Leprosy Hp.)
Dr. Kyaw Kyaw Lin Myanmar Team Leader(Leprosy Control)
Dr. Issa Oumarou Niger Chief Medical Officer
11月20日
15年戦争と日本の医学医療研究会
第17回研究会にて「日本のハンセン病対策とこれに係わった医師たち(昔と今)」講演
場所:金沢市保健所・駅西福祉健康センター
記事掲載日:2005/10/14(Fri)
国連環境会議に出席(ユネスコ主催、国連大学・文化庁協賛)
5月29日から6月2日まで国連大学で開催された生物多様性会議は、世界各地に点在する少数民族が独自の文化と自然への帰属意識を紹介した。異なる自然環境に生きる民族でありながら、参加者の多くは類似性・共通体験を通して、互いに共感しあう会議であった。
<その他>
Dr. Khanが来日
6月6日:ペシャワール(パキスタン)の皮膚科医Dr. Muhammad Zubair Khanが来日。(NGO:ニルヴァーナ支援)
6 月7日:パキスタンにおける保健衛生の概略とハンセン病対策についての現状報告(クリニック2階会議室)。柏原嘉子先生(元ハンセン病研究センター部長、 微生物学)が、分子生物学の発展をらい菌に応用した興味深い研究など、ハンセン病医学の最先端を紹介。ジャーナリストの井上憲司氏、薬剤師の向日玲子さん が参加して、活発な討論が行われた。
写真は、インダス川のほとりラルカーナの少年達(2002年並里まさ子が感染症調査のため現地訪問時撮影)
講演(北海道庁主催):6月30日札幌にて「正しく知ろうハンセン病」講演(並里まさ子)
来訪取材
篠田プロデューサー:エフエム茶笛(チャッピー)6月1日FM放送
フリーライターの樫田記者:週間金曜日6月10日号に掲載
文京盲学校理療科教諭の田中先生と高橋先生:6月12日施設見学
北海道新聞の青木記者:北海道新聞6月23日朝刊に掲載
仁科記者:ジャミックジャーナル:同誌8月号に掲載予定
<ニルヴァーナ>
東京支部:並里まさ子
おうえんポリクリニック
機関誌ニルヴァーナは、以下のサイトに掲載されています。
モグネット:http://www.mognet.org/
記事掲載日:2005/07/05(Tue)



